Identity Resolution

IDデータ検証/照合 – アイデンティティを支えるもの

October 28, 2020  |   LiveRamp

個人のプライバシーを守りながらアイデンティティ(ID)の問題を解決する方法について議論が高まっています – どのような機能になるのか、また機能にすべきか、そしてこのようなソリューションは倫理的な制約を満たし、個人を第一に尊重しているのかどうか。いまこそ、うやむやにせず、IDの複雑さについて率直に話し合うべきタイミングです。

まずはファーストパーティCookieについてですが、サードパーティCookieの利用廃止について尋ねてみると、ファーストパーティCookieを利用していて、ブラウザの変更による影響を受けないと言う人が少なくありません。たしかにファーストパーティCookieは影響を受けない(あるいは受けても影響は小さい)のですが、ファーストパーティCookieがドメイン固有の識別子であるという認識が重要です。他の識別子を保存することはできますが、それ自体はクロスドメインではありません。任意の識別子をファーストパーティCookieに格納することは可能で、ページ読み込み時間を短縮したり、SSPとDSPがオークションを行う時間を確保するために一般的にその方法が使われています。ただ制限として、ファーストパーティCookieを発行元のサイト以外から読み込むことは技術的に不可能です。マーケターが購入、フリークエンシーキャップ、クロスドメイン計測を行うには、ファーストパーティIDをポータブルな識別子に固定する必要があります。そこでサードパーティCookieの出番となり、クロスドメイン広告および計測を可能にしてきました。残念ながら、業界はサードパーティCookieを利用した価値交換をうまく説明できず、消費者の混乱と不信を招いたのです。

現在 – 多くのIDプロバイダーがファーストパーティIDを保有していると言いますが、それが真実であり、すべてがプライバシーを優先しているかどうかは分かりません。シグナルベースのIDともよばれるフィンガープリントがソリューションのひとつであり、アドテク業界のパリアと思われていました。フィンガープリントは確率論的手法であり、ユーザーエージェント、オペレーティングシステム、フォント、画面サイズ、ほか多くの情報を組み合わせることによって同一人であることを特定します。消費者に関する個々の情報を十分に収集すれば、そのユーザーに関連付けられたフィンガープリントを作成できるわけです。ユーザーがあるサイトにログインすると、フィンガープリントが確認できればどこでもログインが適用されます。問題は、消費者にとってあまり透明性がなく、不正確であることが多いことです。言うまでもなく、主要なブラウザで反対されています。もうひとつの提案は、共通のファーストパーティドメインを作成することです。つまり、すべてのパブリッシャーがひとつのドメインに存在することになります。これは技術的にはうまくいくかもしれませんが、商業的に問題があります。すべてのパブリッシャーが同じドメインでホストされることに同意する必要があるうえに、このソリューションはブラウザによって簡単に無効化できるのです。また、ハッシュ化した電子メールをビッドストリームに直接のせるという提案もあります。認証の収集は最初のステップとして適切ですが、個人を特定できる情報(PII)をプログラマティックビッドストリームに乗せることは適切ではありません。もっと安全でプライバシーを重視した方法が必要です。

LiveRampのAuthenticated Traffic Solution(ATS)は、もうひとつの選択肢として、サードパーティCookieに依存しない拡張性の高いIDを構築します。ATSは消費者がブランドやパブリッシャーとの間で信頼できる、透明性の高いファーストパーティ認証により、プライバシーとセキュリティを最優先しています。 

LiveRampのATSソリューションは、匿名のIDであるLiveRamp IDに固定されます。これは、ATSを使用するあらゆるサイトでの登録およびログインを介して行われます。パブリッシャーが消費者と関係を築いていない場合、ATSはそのパブリッシャーのためには消費者を特定しません。私たちLiveRampは協同組合を構築しているのではなく、代わりにすべてのパブリッシャーが異なるファーストパーティIDを接続するために使用できるIDインフラストラクチャを提供しています。。一例として、ユーザーはパブリッシャーのウェブサイトに自分の電子メールアドレスか電話番号を提供することによって自身のIDを確認できます。このような直接または「ファーストパーティ」認証行為は、その個人の参加と同意を必要とします。パブリッシャーに対して無料コンテンツやパーソナライズされたエクスペリエンスという、公正な価値交換が発生するという明確なシグナルです。

技術的な面については、ATSはログインをIdentityLink(IDL)エンベロープに変換します。IdentityLink(IDL)エンベロープは暗号化されたLiveRamp ID用のセキュアなコンテナで、エコシステム内すべてのパートナーごとに異なり、外部からは解読できません。IdentityLinkはLiveRamp IDを利用する顧客やパートナーごとに個別に暗号化されます。セキュアなAPIやホストされたアプリケーションにアクセスしなければ、LiveRamp IDを利用するさまざまな企業は保護されたデータを共有したりかけ合わせたりすることはできません。ただし、両当事者がデータアクセスに同意している場合は、LiveRampがID統合レイヤーを提供できます。翻訳ソフトを考えてみてください。ひとりはフランス語を話し、もうひとりは日本語を話しているようなものです。Rosetta Stoneと同じ理屈で、IdentityLinkによりフランス語と日本語を話す人がそれぞれの言語で会話できるのです。したがって、ブランドおよびパブリッシャー、加えてそれぞれのパートナーは、データを直接、より正確に、データ損失もほとんどなく接続できます。

データが接続されたら、LiveRamp IDは一切保存されません。DSP(デマンドサイドプラットフォーム)などのテクノロジーパートナーはそれぞれ一意にエンコードされたIDLを保有し、SSPがIDLエンベロープを解読して、適切なIDLをDSPに送ることができるようなリアルタイムテクノロジーを構築しました。また、DMP(データ管理プラットフォーム)、CDP、パーソナライゼーションおよび計測プラットフォームもエンベロープを取得でき、パブリッシャーやマーケターの許可があれば、LiveRamp IDに変換できます。これによりパブリッシャー、プラットフォーム、マーケターは、人ベースのIDで倫理的かつ安全で大規模なプログラマティック取引を実現できます。

IDプロバイダーと話をする際、IDの構築方法の詳細を尋ねてみてください。IDは複雑ですが、説明することは可能です。IDプロバイダーは詳細をクライアントに伝えて、採用するテクノロジーを理解してもらう必要があります。皆さんがやろうとしているのは、ユーザーとの信頼関係の崩壊という問題を解決することであって、これまでと同じ轍を踏んではいけません。

現在、LiveRampはあらゆるIDプロバイダーに、クライアントに対する透明性を確保し、ソリューションの仕組みについて説明することを促しています。

サードパーティCookieのない世界に向けた解決策となれば、不透明な広告エコシステムが生き残ることはできません。エコシステムのなかに信頼を構築するには、プロバイダーが広告主やパブリッシャーと信頼を構築する必要があります。当社は中立的で相互運用可能な、信頼できるエコシステムをサポートする製品の開発と実装に取り組んでいます。ATSには3年以上、IDソリューションにはそれよりはるかに長く取り組んでおり、テクノロジープロバイダーやパブリッシャーと積極的に提携して400以上のブランドの事業継続を推進しています。

LiveRampはデータの透明性を重要視しています。ATSの仕組みや、パブリッシャーのIDをマーケターのIDに接続する方法を詳しくお話させてください。

4回にわたってIDの重要性をテーマにお話したいとおもっています。今回はその第一回目でした。興味を持たれた方には、私たちのチームが質問にお答えします。japanteam@liveramp.comまでお問い合わせください。