バリスタ:コーヒーはどのようになさいますか?
お客様:真剣に考えたいと思います。
コーヒーとアドテクノロジーにどのような関係があるのでしょうか。それを考える前に、まずコーヒー産業の状況を確認しておきましょう。コーヒーはコモディティと見なされており、そのように取引されています。ほんの少し前まで、消費者が購入していたのは、もっぱら豆の段階でブレンドされてローストされたコーヒーであり、「高品質のコーヒー」というのは希少品でした。既製品の「ローストコーヒー」も立派なコーヒーですが、特においしいものでもありません。均質な風味が維持されているとはいえ、とりたてて味わうほどのものでもないでしょう。たしかに数か月間の保存は可能ですが、それが食品にとって一番大事なことであるとは思えません。
背後にあるサプライチェーンにも、見逃している点がありました。生産物が、具体的にどこから来ているのか。生産者は誰か。生産の過程で何が投入されているか。関わった企業は優れた環境政策と土地利用を推進しているのか、あるいは収益増大が最大の関心であるかなどの点です。たしかに、そうした問題意識を持ってコーヒーを飲む消費者はあまりいなかったかもしれません。そういう時代だったのです。
アドテクノロジーも、コーヒーほど徹底したものではないにせよ、データドリブンな広告の掲載について同様の道をたどっています。次のような特徴や類似点が見られます。
- サードパーティCookieが標準になっている
- どこで購入しても多かれ少なかれ同じものが得られる
- プロデューサーが適正な報酬を得ておらず、また購入側から見た差別化がなされていない
- サプライチェーンが不透明である
- 社会全体に対する責任、アカウンタビリティが一様でない
ニューエコノミーとしてのシングルオリジン
コーヒー産業は、1990年代から始まったシングルオリジンコーヒーの潮流によって大きく変わりました。シングルオリジンコーヒーは2000年代に入って広く認知されるようになり、需要も増大しています。これが訴求力を持ったのも当然でした。一般的なコーヒー製品とは異なり、シングルオリジンコーヒーには次のような特徴があったからです。
- 原産地が明確である
- 文書化された、信頼できる手法で生産されている
- 生産者を含むサプライチェーン全体に利益が配分されている
- 味がよい
アドテクノロジーでも、この「シングルオリジン」によるルネサンスは始まっています。その兆候は、GDPRやCCPAなどのプライバシー規制の増加や、サードパーティCookieの終了に見てとれます。商品化されたいわゆる「レギュラーコーヒー」を、生産工程にはおかまいなくそのまま消費する人は少なくなりました。マーケティングも変わる必要があるのではないでしょうか。情報に敏感な広告主やパブリッシャーは、これからは過去の常識にとらわれず、普遍的な価値を意識した方策をとるべきだと理解しています。
LiveRampは業界のリーダー企業、イノベーターとして、「シングルオリジン」指向の大規模な広告エコシステム構築を進めています。LiveRampの目標は、パブリッシャーのファーストパーティ認証オーディエンスと、マーケターのファーストパーティデータをつなげることにあります。
- 私たちは、IDサプライチェーン全体にわたる透明性を確保し、責任ある倫理的なデータ利用を推進したいと考えます
- 私たちは、消費者とのコミュニケーションを明確にし、そのデータがどのように利用されているか透明性を約束します
- 私たちは、パブリッシャーおよびエージェントと直接関わって、ユーザーとの公正な価値交換を行い、適切にインベントリを評価し、ユーザーを尊重するための戦略策定を支援します
- 私たちは、広告表示期間の各段階で精細な実績データを示すことで、マーケターが広告の投資効果を把握できるよう努めます
- 私たちは、最終結果がパブリッシャー、バイヤー、消費者にとってより良いものになると確信しています
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