1年前、GoogleはChromeの3rdパーティCookieが段階的に排除される計画を発表しました。それから多くのことが起こり、2022年1月に向けてカウントダウンは刻々と進んでいます。ますます進むプライバシー規制強化やブラウザやデバイスOSのレギュレーションの変更の結果、多くのIDソリューションが登場し、広告エコシステムはこれまで以上に複雑で分かりづらいものとなっています。
LiveRampは革新と変化の最前線にいます。それはポストCookieの世界に対して消費者を最優先と透明性に根ざした一連のテクノロジーを最初に発表してきました。当社のソリューションは、何百もの広告キャンペーンに広く活用されていて、現在および将来の成功に向けビジネス成果を創出する上で3rdパーティCookieが必要でないことを検証しています。
LiveRamp Authenticated Identity Infrastructure(認証IDインフラストラクチャ)
当社は4年以上にわたりAuthenticated Identity Infrastructure に取り組んできました。 マーケターはアドレッサブルなオーディエンスにリーチし、パブリッシャーは認証されたインベントリを収益化し、プラットフォーマーは将来性のある人ベースのIDを使いオムニチャネルで広告取引することができます。
LiveRamp Authenticated Traffic Solution (ATS/認証トラフィックソリューション) は、消費者、マーケター、パブリッシャー間で信頼性と透明性の高い 3 者間の価値交換を通じてアドレッサビリティーを確立する重要な技術です。この価値交換により、オープンインターネット全体で認証による人ベースの広告と測定が可能になると同時に、消費者にプライバシーを最優先したプレミアムコンテンツへのアクセスを提供することをが出来るようになります。
ATSの価値とメリット
IDベースで行われるキャンペーンを実施しているマーケターは、オーディエンスへのリーチ、ROAS(広告費用対効果)、ページビューあたりのコスト、平均注文額など主要な測定基準において3rdパーティCookieと比較してより良い結果を得ています。
ATSを導入したパブリッシャーは、Cookieやその他デバイスIDに依存することなく、インベントリをターゲット可能にし、また測定可能にします。マーケターは、消費者のプライバシーを損なうことなく、エンゲージメントを向上させ、ROASを高めるパーソナライズされた体験を提供することができ、パブリッシャーはインベントリの真の価値を反映したCPMを獲得することができます。
消費者は、自分のデータがどのように使用されるかを完全に選択し、管理でき、信頼できる透明性の高い方法でパブリッシャーやマーケターとデータを共有することができます。
LiveRampの特徴は?
エコシステムに関する最初のエンドツー・エンド・ソリューションとして、LiveRampのテクノロジーは、マーケターがオーディエンスにリーチし、キャンペーンを効果的に測定するための重要なインフラストラクチャを提供しています。
- 人ベースのオムニチャネル:Walled Gardenは、人ベースのIDにより繁栄してきましたが、オープンインターネットは、Walled Gardenと同じようにアドレッサビリティを実現する機会があります。LiveRamp の Authenticated Identity Infrastructure (認証IDインフラストラクチャ)は、Safari や Firefox など、これまでアドレッサブル不可能だった環境へのリーチを拡大し、人ベースのターゲティングやフリクエンシーキャップ、より優れた測定を可能にします。さらに、LiveRamp の Authenticated Identity Infrastructure はオムニチャネルで、ディスプレイ、モバイルアプリ、Connected TV といった様々なパブリッシャーへ展開することができます。Authenticated Identity Infrastructure を介して購入されたインプレッションはすべて測定可能で、マーケターは選択した環境で透明性の高い方法でインプレッションを測定することができます。
- 中立性、オープンならびに相互運用性:マーケターは単一のプラットフォームに依存していないため、選択すべきテクノロジーやプラットフォームは相互運用性がなくてはいけません。メディアのバイアスに影響される可能性のあるプラットフォームが所有するソリューションを選択すると、柔軟性が制限されるかもしれません。当社は、テクノロジープラットフォーム、MVPD(複数チャネルビデオ番組配信業者)、ストリーミングビデオプラットフォーム、データプロバイダ、および代理店の間で中立かつ相互運用可能な、業界をリードし信頼できるIDインフラストラクチャの構築に何年も費やしてきました。
- 消費者第一主義、プライバシーと安全性重視:マーケターがさまざまなソリューションを検討する際、それぞれのソリューションが消費者のプライバシーをどのように強化するのかを検証し、理解することが重要です。LiveRampは透明性ある価値交換をサポートしており、消費者は自分のデータがどのように収集され、どのように使用されるかを継続的に制御しながら、広告主やパブリッシャーと関わることができます。さらに、LiveRampは、消費者にLiveRamp IDを利用するプラットフォームやパブリッシャーに適用するグローバルなオプトアウトを提供することで、ユーザープライバシーを強化します。ATSは、パブリッシャーやマーケターにデータの管理を任せます。私たちの役割は、パブリッシャー共同連合を構築することではなく、エコシステムを介してシームレスにデータを接続し、パブリッシャーがどのプラットフォームからIDを受け取るかを選択できるようにすることです。
- グローバルと規模:ATSはローンチされてから世界中で数多く採用頂いています。現在までに、ATSは米国、英国、フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、オーストラリア、日本で325社以上のパブリッシャーで採用されています。その中には米国コムスコア上位20位の70%、上位50位の60%が含まれています。さらに、25社以上のSSPと45社以上のDSPで、データの活性化と測定のためにLiveRamp IDを採用いただいています。パブリッシャー、マーケター、業界全体が協力してアドレッサビリティを提供できるようになっています。
重要な結果
FitbitがLiveRamp IDと3rd パーティCookieを使ったA/Bテストを実施したところ、ROAS(広告費用対効果)が2倍となり、ページビューあたりのコストが34%減少し、平均注文額が13%増加しました。またデスクトップで同様のA/Bテストを実施した大手家電メーカーでは、ROASが104%増加した事例もでています。
また、当社で早期に分析した結果から、パブリッシャーは平均して広告インベントリの収益が大幅に改善されていることがわかっています。例えばChromeでは、ATSを通じて利回りが50%増加しました。現在Cookieを利用していないブラウザでは、その影響はさらに大きくなっています – Safariで最大375%向上されています。
2021年度、LiveRampで期待されていること
2022年へのカウントダウンが一刻とせまる中、LiveRampはさらに取り組みを続けています。以下は、私たちが取り組んでいる重要施策です。
- ディスプレイ、モバイルアプリ、コネクテッドTVへのATSの展開を継続しています。
- 他のIDへのアクセスを可能にすることで、中立性と相互運用性へのコミットメントを再確認しています。Unified ID 2.0 は、Authenticated Identity Infrastructure を利用する最初の外部IDです。
- リーチやフリクエンシーなどに代わりマーケターがより良いキャンペーンを計画するために、認証されたインベントリの予測機能を提供しています。
- パブリッシャーがどのプラットフォームが自分のIDにアクセスできるかを制御できるようにしています 。パブリッシャーは、オープンエクスチェンジやプライベートマーケットプレイスでの取引のために、選択したDSPにLiveRamp IDを提供することができます。
- アジア・欧州・南米の新市場での拡大に取り組んでいます。
- 当社のソリューションが、規制当局、デバイスメーカー、ブラウザが定める要件やガイドラインを満たし続けていることを確認します。
ぜひ貴社とLiveRampとで既存のデータ、技術、チームを使って、新しい取り組みを始めませんか?マーケターご担当者は、ぜひLiveRampのAuthenticated Identity Infrastructureを活用して測定を開始し、新しい価値の創出、ベンチマークの開発、そして3rdパーティCookieに依存することなく新しい施策を進めていきましょう。
さらに、LiveRampのソリューションは、DCMログの再編集にもかかわらず、今後のIDFAの変更を考慮したモバイル・アドレッサビリティを提供し、ピープルベースの測定を可能にします。この2つの変更が2021年初頭に発生すると予測されています。今すぐアクションに移しましょう。
本ブログをはじめATSにご興味・ご質問がある方はこちらまでお問い合わせください。今年1年、LiveRampとのお付き合いよろしくお願いいたします。