ダラー・ゼネラル、メディアネットワークで CPG・サプライヤーによる地方部へのリーチを支援

ダラー・ゼネラル(Dollar General)は、Dollar General Media Network(DGMN)を通じて、地方部コミュニティとの関係の構築と強化を望むブランドのデジタルギャップを解消しています。LiveRamp のプラットフォームの導入によって DGMN を強化し、安全でセキュアなデータコラボレーションおよび、店舗・オンラインにおける効果的な顧客エクスペリエンスの提供を支援しています。

     

  • 50社以上

    新たな広告パートナー

  • 100%

    ペイドメディアを通じたアクティブ顧客へのリーチ

課題

米国の地方部というと、トウモロコシ畑、大牧場、山林が連想され、人が少ない印象です。しかし、データが示す実像は異なります。米国農務省によると、米国の地方部の人口は合計 4600 万人に上ります。しかし地方部は都心から遠く、インターネット環境が不十分な場所も少なくありません。ピュー研究所(Pew Research Center)の 2021 年の調査によると、地方部の住民の約 30% はブロードバンドインターネット接続を利用していません。オムニチャネルの顧客エクスペリエンスの提供をめざすブランドやリテーラーが地方部の消費者に接触するうえで、この点はネックになります。

ディスカウントストアチェーンのダラー・ゼネラル(Dollar General)は、80 年以上前から地方部のコミュニティで事業を展開してきました。現在の店舗数は約 1 万 9000 店で、スターバックスやセブンイレブンよりも見つけるのは簡単です。従来型のデジタルメディアプラットフォームの多くは、大勢の人々に向けた効率的な配信戦略を重視しているため、人口密集度が高い市場のオーディエンスが中心になりやすく、接触が容易ではない顧客へのアウトリーチには戦略のギャップが生じています。ダラー・ゼネラルの店舗の約 75% が人口 2 万人以下の地域にあることから、同社のファーストパーティデータを活用すれば、ギャップを解消できます。通常の方法では直接的な接触が難しい重要なオーディエンスに対し、ダラー・ゼネラルの信頼を通じてリーチできるようになります。

ダラー・ゼネラルで VP 兼最高マーケティング責任者を務める Chad Fox 氏は次のように述べています。「ダラー・ゼネラルは 、85 年近く前からお客さま中心の姿勢を貫いてきました。お客さまへの理解が深まると、お客さまへのサービスがより向上し、お客さまの時間と費用をより節約できます。ダラー・ゼネラルのファーストパーティデータは、この顧客中心主義を現代的・包括的なレベルで実現します。お客さまとの関連性がより高く、よりパーソナライズしたデジタル体験を、ダラー・ゼネラルとベンダーの双方が提供できます。」

ダラー・ゼネラルは、サードパーティベンダーの協力のもと、Dollar General Media Network(DGMN)というメディアネットワークを 2018 年に立ち上げました。その際に、地方部での店舗網の拡大に応じて、リーチやオーディエンスの拡大をより効率的に行える方法が必要だと考えました。

「デジタルメディアでは、米国の地方部の小さな町に住むお客さまへのリーチや測定は容易ではありません。このためパフォーマンスマーケターは、効率的なリーチと測定が可能なオーディエンスに向けて最適化を図ることになります。リーチや測定の効率性は、地域の人口密集度と直接的な相関関係があります。パフォーマンスマーケターは最適化を通じて地方の市場を意図せず除外し、さらにコアカスタマーへの販売で急成長を遂げている実店舗型のリテーラーをも除外しています。」(Fox 氏)

ダラー・ゼネラルは、人口密集度が低い市場でのギャップに対処するためのソリューションを開発しました。これにより各ブランドは、重複がなく大規模で急速に拡大するダラー・ゼネラルのリーチを活用できるようになりました。ダラー・ゼネラルでは、DGMN を進化させるなかで、技術基盤や営業を含めて DGMN のオペレーションを完全に内製化する必要が生じました。この内製化には次のような目的がありました。

  • ダラー・ゼネラルのストーリーを CPG(消費財メーカー)と直接共有することにより、取り扱い商品のサプライヤーとの関係を強化
  • サードパーティベンダーに支払う費用を削減し、運用コストを効率化
  • 独自のオーディエンスインサイトとクローズドループレポートを通じて、ブランドへのサービスを改善
  • 適切な技術パートナーを選定し、DGMN の高度なデータコラボレーション機能をセキュアな環境で提供

ダラー・ゼネラルが DGMN でめざしたのは、より的確な顧客エクスペリエンスを消費者に向けて構築できるようにブランドを支援することでした。Fox 氏は次のように述べています。「ブランドは顧客とのエンゲージメントをめざし、シリアルから日用品、衛生用品に至るまで、レコメンデーションのパーソナライズを望んでいます。ダラー・ゼネラルのブランドを通じてこのようなエクスペリエンスを構築可能にし、地域社会の人々にパーソナライズしたサービスを提供するために、我々には新たなチャネルが必要でした。」

ダラー・ゼネラルは、DGMN の新たな進化をサポートするため、指定広告代理店(AOR)として、メディア計画の遂行やメディアバイイングに関するノウハウを有するグッドウェイグループ(Goodway Group)と契約を結びました。次のステップは、DGMN の強化の基盤となる適切なテクノロジースタックの確立でした。

動画でもご覧いただけます

リテールメディアネットワーク DGMN を構築した方法や、このネットワークの独自性について、LiveRamp のお客さまであるダラー・ゼネラルの代表者との対談の様子をご紹介します。

ソリューション

場所を問わず、新規顧客の獲得と維持で重要なのは、利便性とタイミングです。ダラー・ゼネラルは、独自のオーディエンス構築からカスタマージャーニーを通じて購入に至るまで、キャンペーン効果の測定を必要としていました。DGMN の基盤に新しいテクノロジーソリューションを導入することによって、運用コストの削減、マネージドサービスからセルフサービスのモデルへの移行、CPG ブランドやそのエージェンシーとの安全でセキュアなコラボレーションが可能になります。ダラー・ゼネラルにとって何より必要なのは、地方部とのつながりを既に持つパートナーでした。

LiveRamp を導入したことによって、ダラー・ゼネラルは、モバイル ID とのセキュアな検証済みマッチングに加えて、倫理的に調達した消費者のオフラインデータ(自宅住所など)の活用が可能になり、自社の顧客データのマッチ率を向上させることができました。このようなマッチングを通じて、商圏、郡、州の境界を越えたオーディエンスの詳細な把握が可能になったほか、ザ・トレードデスク(The Trade Desk)、Google アドマネージャー、グッドウェイグループなど、戦略的パートナーとのコラボレーションに必要な相互運用性も確保されました。LiveRamp のデータコラボレーションプラットフォームは、中立的なプラットフォームとして、ダラー・ゼネラルのテクノロジーパートナー、ブランド、消費者を結び付け、一元的なテクノロジーソリューションとして DGMN を安全でセキュアにサポートします。

「私たち以上にお客さまを理解している企業はないと自負しています。私たちが必要としていたのは、その理解を成果につなぐための優れたテクノロジーでした。LiveRamp は、テクノロジー、リソース、サポート、コラボレーション、パートナーシップの全てを提供してくれました。」(Fox 氏)

ダラー・ゼネラルは、パートナーの新たなネットワークを活用して、DGMN の運用効率と費用対効果を高めるための手段を獲得する一方で、自社のブランド力やパートナーとの関係を強化することができました。

私たち以上にお客さまを理解している企業はないと自負しています。私たちが必要としていたのは、その理解を成果につなぐための優れたテクノロジーでした。LiveRamp は、テクノロジー、リソース、サポート、コラボレーション、パートナーシップの全てを提供してくれました。
ダラー・ゼネラル VP兼最高マーケティング責任者 Chad Fox 氏

成果

現在 DGMN は、透明性を重視したオーディエンス中心のソリューションとして、これまでにない ROI を達成しています。ダラー・ゼネラルは、DGMN の強化によって、クローズドループの 1 対 1 の測定、インサイト、レポートの提供を可能にし、アトリビューションとインクリメンタリティ(広告効果による増分)の両方を判定できるようにしました。LiveRamp の導入により、ダラー・ゼネラルでは、売上アトリビューションの生成に加えて、マーケティング向けの多数のプロファイルと属性を使用したオーディエンスの構築、設定、維持が可能になりました。

店舗とオンラインでカスタマージャーニーのクローズドループを実践 

ダラー・ゼネラルのアプリは 400 万人以上の月間アクティブユーザーを有しており、ユーザーはデジタルクーポンやデジタルチラシ、店舗受け取りサービス、オンラインショッピングを利用できます。ダラー・ゼネラルは、LiveRamp の高度なクリーンルーム環境を使用して、デジタルサービスを通じて得られる豊富なファースト、セカンド、サードパーティデータを活用できます。これにより、オープン Web 全体でアドレッサブルなオーディエンスを把握し、一貫した正確なマッチ率を達成して、ダラー・ゼネラルとブランドの顧客インテリジェンスを強化しています。

Fox 氏は次のように述べています。「DGMN のデータは、地理的・経済的な理由で十分なサービスが提供されていない層の顧客をベースとしている点がユニークです。さらに、オーディエンスアグリゲータ、シンジケートデータソース、効果測定手法などに関して、デジタルメディアの世界では取り上げられることが少ない顧客ベースでもあります。データはプライバシーを重視した手法で共有しており、属性を独自に組み合わせて、セグメントのインサイト抽出、オーディエンス構築、ターゲティングに活用できます。このようなターゲティングを通じて、お客さまとの関連性、エンゲージメント、コンバージョンが強化され、ダラー・ゼネラルのお客さま、ベンダー、社内のそれぞれにメリットがもたらされます。」

ダラー・ゼネラルは、このような舞台裏での処理を通じて、全米の顧客の期待に応えるシームレスなエクスペリエンスをオンラインと店舗で提供しています。

「DGMN は広告と店頭購入の間に自然なつながりを生み出し、シームレスなカスタマージャーニーを提供します。個々のリテールオーディエンスに適切な優先順位をつけることにより、各ブランドと消費者に対して、よりスムーズなエクスペリエンスとカスタマイズされた購入パスを提供します。」(Fox 氏)

CPG とのパートナーシップで、他にはないインサイトを提供

DGMN を利用する広告主は、ペイドメディアを通じて、ダラー・ゼネラルのアクティブな顧客の 100% にリーチが可能です。オンラインと店舗で認知を確立し、購入意欲を促進できます。広告主には、世界的に知られる大手ブランドも含まれています。

ダラー・ゼネラルは、わずか 6 か月間で、ペプシやハーシーなどのブランドとDGMN 上のデータコラボレーションを開始し、広告費用対効果(ROAS)を向上させました。これまでに DGMN に加わった広告パートナーは、ユニリーバ、ゼネラルミルズ、コルゲート・パーモリーブなどの 50 社に及びます。特にユニリーバは、2018 年から DGMN に参加しています1。

ROI と ROAS が大きく向上

ダラー・ゼネラルの顧客ベースは米国 47 州におよび、トランザクションは年間 20 億件を超えています。同社は、ブランドにリアルタイムデータへのアクセスを提供し、膨大な顧客ベースへの広告展開をサポートしています。

1出典:Dollar General Introduces Evolution of Retail Media Network, DGMN(ダラー・ゼネラル、リテールメディアネットワーク DGMN の進化を発表)

データはプライバシーを重視した手法で共有しており、属性を独自に組み合わせて、セグメントのインサイト抽出、オーディエンス構築、ターゲティングに活用できます。このようなターゲティングを通じて、お客さまとの関連性、エンゲージメント、コンバージョンが強化され、ダラー・ゼネラルのお客さま、ベンダー、ダラー・ゼネラル自体のそれぞれにメリットがもたらされます。
ダラー・ゼネラル VP 兼最高マーケティング責任者 Chad Fox 氏

次のステップ

ダラー・ゼネラルの使命の中心は、これからも地方の市場と顧客のニーズを満たすブランドや商品の提供を強化することにあります。そこで、同社では近い将来 DGMN をさらに多くのベンダーに向けて拡大することを計画しています。リーチと機会を増大させ、よりスムーズなオムニチャネルの買い物体験を、顧客とブランドに提供していきます。

「ダラー・ゼネラルのストーリーを私たち自身で確立したいと考えました。自分たちの未来を決めるのは私たちです。パートナーとお客さまの間でより有意義な関係を構築し、従来のデジタルマーケティング戦術では見過ごされがちな、リーチが難しいお客さまとのつながりを確立していきます。」(Fox 氏)

 

 

拡大を続けるネットワークでリテールメディアのイノベーションを促進

ダラー・ゼネラルが多数のブランドとの連携やエコシステムでのデータ接続で果たした役割について、RampUp 2023 のキーノートセッションでの対談の内容をご紹介します。

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