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求められている広告に近づけるために今、広告主は何をすべきか?

  • LiveRamp
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インターネットが普及し、TVや雑誌、新聞、中吊りといった以前からある広告のように、インターネットでも広告を目にしない日はなくなりました。一方、TVコマーシャルをカットしたり、ネット広告はしつこいといった声を聞いたりするのも事実です。

広告は必要なものでしょうか?不要なものでしょうか?今回は、消費者と広告主双方にとって良いインターネット広告とは?それを出すためには何を知り、どうしたら良いかについてご紹介したいと思います。

 

広告は必要か不要か?広告への意識調査の結果

まずは、広告を受ける側の意識をみてみましょう。2021年のJIAA(日本インタラクティブ広告協会)の意識調査を要約してご紹介します。

広告に対してポジティブかどうかをみてみると:

  • 消費者が情報の取扱いに関与できる場合は約7割がデータ利活用を許容
  • インターネット広告の受容度は約9割
  • インターネット広告に約7割が良い点を感じ、約5割がポジティブな実体験がある

 

上記3点のように、広告主の心配をよそに広告の受容度は高く、実際に良い体験(エクスペリエンス)をした消費者も半数おり、インターネット広告自体は必要なものととらえられているようです。

もちろん、どんな広告でもバンバン出して良いかというと、そうではありません。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるは、この時代通用しないこともわかります。

多くの広告主や事業主が、新規会員獲得、製品の購入、資料請求などを目的として、自社サイトに訪問したことがある消費者をリターゲティング、リエンゲージメントという手法でターゲットしてきました。そして、この手法があまりにもスタンダード化してしまったために、広告にネガティブなイメージを持つ消費者も増えてしまっています。

 

広告の何にネガティブな印象を持つか。

  • しつこい(同じ広告が何度も表示される、自分が見た企業や商品の広告ばかりが表示される)
  • 煩わしい(記事の見出しの間に表示されるのは紛らわしい、今見ている記事のジャンルとは全く異なる広告が表示される、広告で記事が隠れる)
  • 怪しい(誇大広告、根拠のない広告)

 

消費者にネガティブなイメージを持たれてしまっては、広告を出稿している広告主や事業主にとっても、広告を表示しているパブリッシャーにとっても良い状況とはなりません。今回の調査結果でもはっきりしたように、消費者がネガティブに感じる以下の要素をどう排除できるかが今後の広告キャンペーンの成果につながります。

  • 利用者が不快に感じるインターネット広告の主な要素
    • 不適切な広告フォーマット
    • 不適切/不快な広告内容
    • 不安・不快に感じるターゲティング広告の手法
  • 約8割が感じているインターネット広告への個人情報の利用への不安

 

コンプライアンスやプライバシーを守り、ユーザーエクスペリエンスを向上させるためにも、広告を今以上に有益な情報としてとらえてもらうためにも、広告主や事業主の収益が上がるためにも、単に多くの人に広く伝えるだけではなく、消費者ニーズや興味関心を考慮した、パーソナライズされた情報を伝えられるようにすることが求められています。

 

より良い広告配信のための次のカギ「ファーストパーティデータ」とは?

サードパーティCookieが終焉を迎えつつある中で、より消費者の欲しい情報を出すためには、ターゲティングで利用されてきた従来のサードパーティCookieやモバイル広告ID依存から脱却し、企業が取得、所有、管理をしていているファーストパーティデータをより活用する方法があります。

ファーストパーティデータとは、広告主や事業主、パブリッシャーが、サービス、コンテンツ等の提供を目的として、会員登録やサブスクリプション、ニュースレター、クーポン、アンケートといった様々な方法で取得した顧客のメールアドレスや(携帯)電話番号といった個人情報を含むデータを指します。

 

我々LiveRampが2021年3月に実施した調査によると、広告主(回答者数400)のおよそ71%がファーストパーティデータを保有している。また、「サードパーティデータのみ」と回答した広告主(回答者数59)の約46%がファーストパーティデータを収集予定であると回答しています。

ファーストパーティデータで企業は消費者と直接的にコミュニケーションできるだけではなく、購買履歴などから消費者の興味関心を深く知ることができます。それらを活かすことで、サードパーティCookieに代わる、より良い広告配信につながる貴重なデータとなります。

Cookie依存をしない、できない今後のマーケティング戦略において、こういったファーストパーティデータを利用することで詳しく消費者を知り、今まで以上に有益な情報で消費者とコミュニケーションすることができるようになります。

 

散在、断片化するファーストパーティデータ(顧客ID)

今後、ファーストパーティデータがより重要となることがご理解いただけたと思います。しかし、データがあるからすぐに広告やキャンペーンを最適化できるかというと現実はそうではないことが多くあります。例えば、先行する企業からはファーストパーティデータが、社内の事業部や店舗ごと、またオンラインとオフラインで収集方法が異なる等で、また、大きくはM&Aにより、CRMやCDPが分かれ、顧客IDが断片化し、マーケティングキャンペーンや広告を目的としたインサイトの分析や有効活用に最大化できないがどうしたら良いかとご相談を受けることが増えました。

 

LiveRampは、それらのファーストパーティデータの断片化解消や小売りと深い関係のあるメーカーが持つデータとプライバシーを守った状態で接続したり、パートナーが持つデータとも接続したりすることできます。顧客IDを物理的に統合する必要はなく、現状のまま各データセットを接続できます。それは、データセットの最大化と、居住地や購買履歴、男女や年齢等々のアトリビューションを多様化し、それらを元にデータドリブンで消費者の興味にあった広告キャンペーンを展開することができるようにするソリューションです。

 

フランスの小売最大手カルフールはどう解決したか

例えば、フランス最大手の小売業であるカルフールが社内、グループ間、150を越える納品メーカーとの間でより効果的にファーストパーティデータを活用するためLiveRamp Safe Heavenを使ってデータ連携し、顧客へのオファーを最適化することを始めました。ファーストパーティデータをプライバシー制御されたデータとして活性化し、オーディエンスを構築、設定し、データからインサイトを得、実行、計測とレビューするといったマーケティング戦略の立案、実行のPDCAをより正確にできるようになりました。

カルフールは顧客ニーズを真に理解し、プライバシーを保護し、オンラインおよびオフラインのチャネル間でより強力な消費者コミュニケーション構築するための柔軟でセキュアなプラットフォームを持っているのです。そして、そのプラットフォームとしてLiveRampのソリューションがカルフールのビジネスを支えています。

 

まとめ

これまである意味当たり前のように使えてきたサードパーティCookie利用で設計されていたリターゲティングを中心としたマーケティング戦略から、ファーストパーティデータを活用した顧客との関係をより深く強くするデータ戦略を加えた新しい施策への転換がこれからの小売業には必要なのです。

繰り返しとなりますが、我々LiveRampが提供する「Safe Haven」は、断片化したファーストパーティデータや顧客IDをシステムは現状のままで包括的に利用できるようにします。物理的なCRMやCDP統合は不要です。もちろん、プライバシーは守りながらです。

実は、この製品はファーストパーティデータの管理、活用で一歩先を行く欧米のリテール市場のニーズにより開発されました。そして、欧米の小売業界ではファーストパーティデータを活用するプラットフォームとしてデファクトスタンダードとなっており、大手小売りはもとより、小売り周辺のメーカーやパートナー、DSPやSSPのビジネスも支えているのです。