Back to Blog

高い「ユーザーエクスペリエンス」を提供することで構築されるユーザーとの新しい関係

  • LiveRamp
  • 1 min read

これまで3回にわたり(第1回(2021年8月18日投稿)、第2回(2021年9月9日投稿)、第3回(2021年9月29日投稿))サードパーティCookieおよびモバイル広告IDの終焉、ファーストパーティデータに対する意識が高まっていることを紹介させていただきました。

 

このシリーズの最終回(第4回目)である今回は、「ユーザーエクスペリエンス」への意識を考えてみたいと思います。

 

インターネット広告に対する「信頼の喪失」

マーケティングにおいてインターネット広告は不可欠な手段となっています。しかし、JIAAが2019年2020年に実施したユーザー意識調査から、残念ながらネガティブなイメージを持たれていることが明確になりました。

 

多くの企業が、新規会員獲得、製品の購入、資料請求などを目的として、自社サイトに訪問したことがあるユーザーをリターゲティング、リエンゲージメントという手法でターゲットしてきました。

ただ、この手法があまりにもスタンダード化してしまったために、

  • しつこい(同じ広告が何度も表示される、自分が見た企業や商品の広告ばかりが表示される)
  • 邪魔な/煩わしい(記事の見出しの間に表示されるのは紛らわしい、今見ている記事のジャンルとは全く異なる広告が表示される、広告で記事が隠れる)
  • 怪しい(誇大広告、根拠のない広告)

といったイメージになってしまっています。

ネガティブなイメージを持たれてしまっては、広告を出稿している広告主にとっても、広告を表示しているパブリッシャーにとっても決して良い状況だとは言えません。

そして、ご存じのように、サードパーティCookieやモバイル広告IDはこれらのターゲティングで利用されてきました。

 

広告は不必要なものでしょうか?

一方で、ユーザーは以下のような理由から広告は必要だと思っています。

  • 新商品を知ることができる
  • 新たな発見をすることができる
  • 企業の情報を知ることができる
  • 買い忘れを教えてくれる
  • 広告を通じて、買いたかった商品やサービスをすぐに購入することができる

ユーザーにとって、適切な頻度、タイミング、内容であれば、広告も有益な情報としてとらえられていることが伺えます。

ユーザーエクスペリエンスを向上させる考え方として、ニーズや興味関心を考慮した、一人ひとりに適したアプローチでターゲティングすることを可能にするピープルベースマーケティング、1 to 1マーケティングが重要になるという声を耳にすることが増えてきました。多くの方に広く伝えるだけではなく、ユーザーにカスタマイズした情報を効果的、有効に使えることが可能になります。

 

ユーザーとの「コミュニケーション」を強化する

これを実現するための手法のひとつとして、企業が取得、所有、管理をしていているファーストパーティデータの活用があります。

会員登録やメルマガ登録などを通じてユーザーが「同意」をして「共有」している個人情報や関心事といった情報に加え、購入履歴などといったデータからユーザーを分析し、より有益な情報が提供されるコミュニケーションを実現させます。

 

LiveRampの一般ユーザー向けの調査によると、個人情報の提供と引き換えに得たいものとして、やはり自身にとって有益な情報を得たいと回答しています。

また自身にあったパーソナライズされたエクスペリエンスにつながるのであれば、個人情報を提供しても良いと約40%が回答しています。

 

高い「ユーザーエクスペリエンス」により生まれる信頼関係

 

ユーザーにとって登録した個人情報を含む自分のデータが、プライバシーを重視し、安全に使われ、さらにそのデータの使用に関して選択肢が与えられる環境があればどうでしょうか?

日本の改正個人情報保護法をはじめ、GDPRやCCPAなど世界中で新しいコンプライアンスの整備が進んでいます。サードパーティCookieやモバイル広告IDの終焉が始まっている中、ファーストパーティデータの利活用が重要だと考えられていますが、我々が最も大切にしなければいけない事は、ユーザーからきちんと同意を得る事です。会員登録などを通じて、規約やプライバシーポリシー上でユーザーに対し、どんなデータを、どのような方法で取得し、どのように活用するかを明確にし、同意を得る必要があります。

 

ユーザー、パブリッシャーおよび広告主の3者がそれぞれ高い満足を得ることが出来る「信頼に基づいたエコスステム」を実現させるAuthenticated Traffic Solution(ATS/認証トラフィックソリューション)の導入が加速しています。例えば、ユーザーはログインをすることでパブリッシャーの記事・コンテンツの続きを読む、クーポンを取得できる、キャンペーンに応募するなど自分の目的を達成し、その上、ピープルベースマーケティングの考え方により、自分に適したカスタマイズされた広告という形で有益な情報がデバイスを超えて、適切なタイミングで提供されます。これは広告主にとってターゲットすべきユーザーとのコミュニケーションが実現され、結果、高いROIのキャンペーンへとつながり、また、パブリッシャーにとってユーザーにも、広告主にとっても価値の高い在庫を提供することににつながり、収益性の向上、そしてユーザーにとって有益な情報が提供される場所になることで「信頼」関係の構築が可能になります。